今回の第14回目のWEBマガジンは「ボーカルとコーラスのミキシング作業」です。今回のボーカルとコーラスのミキシング作業で使用するエフェクターは、ダイナミクス系ではコンプレッサーとEQ(イコライザー)など、空間系ではディレイです。本編では各エフェクターの設定とボーカル・トラックのエフェクターの順序などについて解説して行きます。
第8回「音の質感の違いを書き出す」でリファレンス曲と比較して「メインボーカルに艶がない」と書き出しましたが、その辺りを意識して、ラフミックスで制作した他のパートを聴きながらボーカルのミキシングして行きます。
この作業の完了時点のボーカルのトラック処理で使用したエフェクターは「コンプレッサー」「EQ(イコライザー)」の他に、耳に付く子音を取り除く「ディエッサー(DeEsser)」と左画像の「ディレイ」を使用しています。
以上の4つの各エフェクターの設定とボーカル・トラックのエフェクターの順序などを「ボーカルのトラック処理」の項では解説しています。
コンプレッサーとEQのダイナミクス系のエフェクト処理に関しては、前回のラフミックスで処理したボーカル・トラックを作り込んで行くという形で解説しているので、第13回「ラフミックスの制作とミックスの順番」に目を通しておいたほうが分かりやすいと思います。
またボーカリストの方でCDなどに収録されているカラオケをDAWソフトに読み込み、そのカラオケに自分の歌とコーラスをレコーディングして、デモ音源を制作している方も居るので、既存の2mixのオケにボーカルを乗せてミックスするときのコンプレッサーなどのポイントについても、簡単にですが解説しています。
第2回の「作業前の準備とトラック処理」で記載したメインボーカルをピッチシフトさせたものにANTARESのピッチ補正ソフト『Auto-Tune』を使用して生成した「ハモリによるコーラス」のエフェクト処理とミックスダウン作業時の定位について解説しています。
このWEBマガ・ソングのコーラスは、「ピッチシフター」と「ボーカルのピッチ補正エフェクター」を使用して生成したハモリによるコーラスだけで、「ウー」とか「アー」のようなバックを包むような3 〜 5声からコーラスのトラックはありませんので、はじめは3 〜 5声からコーラスのエフェクト処理などについて触れるつもりはありませんでした。
しかし、「ウー」や「アー」のようなコーラスのトラック処理が上手く行かないという方に質問を頂いたので、ハモリによるコーラスのトラック処理だけでなく、3 〜 5声のトラック処理とミックス作業時の定位についても解説しています。
今回のWEBマガ・ソングで使用したANTARESの『Auto-Tune』は、新たに2008年に『Auto-Tune Evo』として生まれ変った『Auto-Tune』ではなく、旧バージョンの『Auto-Tune』です。
ボーカル・プロセッシングのトップブランドであるANTARESの『Auto-Tune』や『Harmony Engine』などをはじめとするプラグイン・エフェクターに興味のある方などは「ANTARESのプラグイン・エフェクター」のページで紹介していますので、そちらのほうでチェックして下さい。
次回の第15回WEBマガジンは「ドラムとベースのミキシング作業」です。今回の「ボーカルのミキシング作業」も質問が本当に多く、質問箇所を加えて解説しているうちに、本編はもすごいページ数になりましたが、「ドラムとベースのミキシング作業」はさらに質問が多く、まとめるのが大変で、今回のWEBマガジンを超えるページ数になりそうです。