今回の「余分な低音域と高音域をカットする」では、前回の「スペアナでEQのポイント探し」で解説したことをベースにして、実際にハイパスフィルター(ローカットフィルター)とローパスフィルター(ハイカットフィルター)を使って各パートの余分な周波数帯域をカットして行きます。
今回の作業だけでもかなり、2ミックスは全体のモワモワ感が消えてスッキリしてきます。また、余分な周波数帯域をカットするので、作業前よりもマスタリング作業時に音圧を稼ぐことができます。
この作業の前に各自ですべてのパートにEQ(イコライザー)を立ち上げておいて下さい。もちろんサードパーティー製のEQではなく、DAWソフトに初めから搭載されているEQでも大丈夫です。
参考までにWEBマガ・ソングでは、WAVESの最大で6バンド使用することのできる『Renaissance Equalizer』(右画像)と、最大で10バンド使用することのできる『Paragraphic Equalizer』をパート別に使用しました。
前回の「スペアナでEQのポイント探し」で、リファレンス曲とWEBマガ・ソングのWAVES「PAZ Analyzer」で解析した5Hzから21kHzまでの68バンドすべてが数値化されているテキストファイルをアップしましたが、今回はそのテキストファイルの数値をベースにして、ハイパスフィルターとローパスフィルターを使い、各パートの余分な低音域と高音域をあまり深く考えずにカットして行きます。
余分な低音域と高音域は解析結果のテキストファイルがベースになっていますので、ダウンロードしていない方はダウンロードしておくことをオススメします。
第11回の「余分な低音域と高音域をカットする」はハイパスフィルターとローパスフィルターの説明と各パートの余分な周波数帯域をWEBマガ・ソングを通して解説しています。
そのため、ハイパスフィルターとローパスフィルターが分からない方や、ボーカル、ドラム、ベースをはじめとする各パートの余分な周波数帯域が分からない方に最適な内容だと思います。今回もサウンド・オンラインとWEBマガメンバー限定の公開です。
次回の「マキシマイザーを計算したミックス」では、マスタリング用のプラグインをインサートすると「一生懸命作った2ミックスが壊れてしまう」という方がかなり多く居て、質問を頂いたので、「マキシマイザーとミックスの関係」についてと、「マキシマイザーを意識したミックス作業」について書きたいと思います。