マキシマイザ−で音圧は稼げているのに、第8回の「音の質感の違いを書き出す」のようなリファレンス曲との質感の違いが、自分の曲に出ていて、どのようにすれば良いのか分からずに悩んでいる方も少なくないと思います。
言うまでもなく、前回明確にしたリファレンス曲との「全体的な質感の違い」と「パートごとの違い」が今後のミックスダウンとマスタリング作業時に修正して行くポイントとなります。
そして今後の作業の要となるのは右画の「EQ(イコライザー)」や「コンプ(コンプレッサー)」などのダイナミックス系のエフェクターです。このEQとコンプを使いこなすことができるかどうかが、ミックスとマスタリングのレベルを上げる鍵となります。
ミックスとマスタリングで悩んでいるほとんどの方がEQとコンプレッサーにたどりつくので知っているとは思いますが、EQとコンプレッサーについては以下で解説していますので、必要な方はチェックして下さい。
本当なら、第5回から第9回までの「ミックスダウン & マスタリングのガイド」は「ミックスの欠点を知る」と題して全2ページにまとめる予定でしたが、質問の回答などを付け加えているうちに、あまりに文章が長くなってしまったので、全5回に分けて公開しました。
このWEBマガを始める前に取ったアンケートの結果、「ミックスダウンの基礎講座」の「ミックスダウンの落とし穴」で書いている状態になってしまっている方が本当に多く、自分の曲のミックスの欠点や修正すべき点に気付かないままに、即座に各パートのミキシングやマスタリングのポイントに関して説明しても、きっと音が飽和状態になって上手く行かないだろうという予感がしました。
そのため「気付いてもらう」ために、このWEBマガでは少し角度を変えて解説してみることにしました。とにかく「ミックスの欠点を知る」というのは、今までにはないと思います。
これは音楽制作だけではなく、どの世界でも言えることだと思いますが、まずは自分の欠点や足りないところを知り、それを踏まえた上で行動を起こさないと同じ失敗を繰り返すだけで、なかなか成長することはできません。当たり前のことですが、重要なのは「気付くか気付かないか」です。
このミックスダウンとマスタリングのガイドでは、まずEQ(イコライザー)から手を付けて行きます。次回の第10回はEQを使いどこを修正して行けば良いのかを、WAVESのスペアナ「PAZ Analyzer」を使い解説して行きたいと思います。
このページでも書いたように音を言葉で説明するというのはとても難しいですが、WAVESのスペアナ「PAZ Analyzer」は68バンドの解析結果をテキストファイルにも保存することができますので、WAVESのスペアナの解析結果を使って、EQではじめに手をつけるポイントを探って行きます。