マキシマイザーをはじめとするマスタリング用のプラグインをインサートすると「一生懸命作った2ミックスが壊れてしまう」という方が居て、かなり多くの質問を頂いたので、今回の第12回では、各パートのミキシング作業に移って行く前に「マキシマイザーを計算したミックス」について書きたいと思います。
マキシマイザーもDAWソフトに標準で付属しているものにしても、定番のWAVESをはじめとするサードパーティー製にしても本当にたくさんの種類があります。
どのマキシマイザーにしようか迷っている方も居ると思いますが、マスタリング用のプラグインは、どのプラグインも音圧が稼げて、音量が大きくなりますが、同時に、音質自体もかなり変わってしまうプラグインが多いのも事実です。
今回のWEBマガソングでは、音質の変化の少ないSONNOX Oxfordの『Oxford Inflator』をマキシマイザーとして使用していますが、WEBマガメンバーのなかには、DAW環境での音楽制作が浸透し始めた頃に低価格で大ヒットした右画像のPSPの『VINTAGE WARMER』を使用してマスタリングをしている方が多数いるので(なぜだ?)、本編では「マキシマイザーによる音質の変化を計算してミックスすること」について、『Oxford Inflator』『VINTAGE WARMER』をはじめ、いくつかのマキシマイザーを例に上げて解説したいと思います。
個人的な意見ですが、マスタリング作業に慣れていない方には「WAVESのマキシマイザー」で紹介している『L2 Ultramaximizer』、『L3 Multimaximizer』、『L3-LL Multimaximizer』のような音質の変化が少なく音圧を稼げるマキシマイザーを使用したほうが、音の変化の大きい『VINTAGE WARMER』を使用するより作業はしやすいと思います。
この第12回の「マキシマイザーを計算したミックス」でステップ2は終わりです。次回の第13回WEBマガジン「ミックスの順番とラフミックス制作」からはステップ3に移ります。
前回までのミックスダウンとマスタリングのガイドをすべて読んだ多くの方から、このWEBマガジンのおかげで「飛躍的に作品が良くなった」というような感謝の言葉をたくさん頂きましたが、ステップ3からは各パートのミキシングをはじめとして、さらに実践的な内容に移って行きますので、さらに作品を高度に仕上げて行けると思います。