前回は耳と波形でリファレンス曲とWEBマガ用ソングのマスターファイルの音の大きさを比較しましたが、今回は右画のWAVESのスペクトラム・アナライザー(以下スペアナ)「PAZ Analyzer」を使って、サビの部分のRMSを比較してみたいと思います。
このWEBマガでも、随所に「RMS」を用いてミックスとマスタリングを解説して行くので、補足として書いておきますが、RMS(Root Mean Square)は「シグナルのアベレージレベル」です。
どのような役割があるのかを知らない方でも、DAWソフトで音楽制作をしている方なら、RMS表示をするスペアナやマスタリング・プラグインは多数あるので、「RMS」という文字を一度は目にしたことがとがあると思います。
RMSについては、スペアナとRMSの解説やリファレンスCDを上手に活かすマスタリングの方法を紹介した「マスタリングの必勝スキル講座」のコンテンツ「視覚で捉えるマスタリング 〜作業時間の節約法〜」のなかで、すでに説明しましたが、今回簡単に、以下に「RMSとミックス & マスタリング」としてまとめ直しましたので、「RMSって何?」という方は目を通しておいて下さい。
WAVESの「PAZ Analyzer」を使い両曲のサビのRMSを比較してみると、リファレンス曲のRMSが「-8.8 dB」で、WEBマガ・ソングのRMSが「-7.9 dB」という結果が出ました。あくまでも参考ですが、サビのアベレージレベルに関しては、数値だけを見ると、WEBマガ用ソングのマスターファイルのほうが上です。
なぜサビの部分だけの「アベレージレベル」だけを調べたかについては、第4回「とりあえず音圧を上げる」の「この作業でのリファレンス曲とマキシマイザー」を見た方なら、すでに理解済みで説明は不要だと思いますので、ここでは省略させてもらいます。
Peak(ピーク)に関しても「この作業でのリファレンス曲とマキシマイザー」で説明しましたので、あえて書く必要はないと思いますが、既にマスタリング済みなので、どちらの曲も「0.0 dB」もしくは「-0.1 dB」です。
前回と今回の音の大きさの比較で見ても分かるように、マキシマイザーにより確かに市販レベルまで、WEBマガ・ソングは音が大きくなったことが確認できたと思います。
次回は質問を頂いたので「自宅でも音圧は稼げる」ということと「現在のデモ音源のレベル」について解説したいと思います。また、とりあえず第6回までを「ミックスダウン & マスタリングのガイド」のステップ1として、次回の第7回からはステップ2に移ります。
ステップ2に移す理由は『DTM/DAW音楽制作必勝講座』でカテゴリー分けを失敗して、ページを更新をするたびに大変な思いをしたという経験から、この辺りで区切っておいたほうが、後々の更新が楽になるという個人的な理由からです。
第6回「RMSでマスターファイルを比較する」に興味のある人に最適な「マスタリング作業で重要なRMS管理」を『DAWマスタリング必須テクニック10選』のなかで公開します。