ここでは右の写真のSONYのヘッドホン『MDR- CD900ST』のみを使用して、超ラフミックスを作る作業をします。なぜ、「超」と付けたかと言うと、ラフミックスよりもさらに、ラフにミックスしているからです。
この作業では、楽曲の大まかな全体像が分かれば良いので、基本的にはパンニングとボリューム調整がメインですが、ボーカルにはコンプレッサーを使用しています。
超ラフミックスなので、パンニングにしてもボリューム調整にしても大体で良いですが、ボーカルがメインの曲なので、ラフミックスとは言え、ボーカルしっかり聴こえているということが重要です。
まず、パンニングはボーカル、ベース、キック、スネアはセンター、エレキギターは左右に完全に振り切りました。ボリューム調整はボーカルが聴こえているということをメインに調整しています。
アコースティックギター、ピアノ、コーラスのパンニングに関しては、「この段階でのパンニング」で細かく書いているので、そちらを参照して下さい。
次の「とりあえず2MIXの音圧を上げる」との兼ね合いで、ボーカルとコーラスにWavesの『Renaissance Maxx』等に収録されている右写真のビンテージ・コンプレッサー『Renaissance Compressor』を使用しました。
ボーカル以外にギターにしても、ベースにしても生楽器を使用している場合は、この段階でコンプレッサーを掛けておきます。ここでは楽曲の音圧を上げることが目的なので強めにコンプを掛けています。
各パートのダイナミックスに関しては、後の作業で調整して行きますので、現地点では気にする必要がありません。ここでは以下の「この段階でのコンプの設定値」を参考にして、音を歪ませない範囲で、ボーカルや生楽器に強めにコンプを掛けて下さい。
レコーディング時のコンプの設定はピークを抑えることが目的なので、軽めにが基本です、ボカール、ギターをはじめとする各パートのレコーディング時のコンプレッサーの設定について知りたい方は、「レコーディング時のコンプの設定」で詳しく説明していますので、そちらを参照して下さい。
第3回「ミックスダウン & マスタリングのガイド」はこれで終了です。「レコーディング時のコンプレッサー」などは、結構役に立ったのではないでしょうか。次回は早速、今回の作業した超ラフミックスにマキシマイザーを使用して音量を上げてみたいと思います。